痛みが強く触らせたがらない患者さんへの対応

痛みを訴える患者さんのその痛みは、褥瘡そのものの痛みのときもあれば、
ガンなどによる疾患の痛み、或いは、心の痛みなど様々です。

 

痛みに関しては、基本的に鎮痛剤で対処します。

 

そして、体位変換やドレッシング材の交換の際に伴う痛みに対しても
配慮していくことが必要です。

 

(1) 褥瘡そのものの痛みへの対応

 

ひとくちに褥瘡といっても、その程度は様々です。

 

真皮層が損傷した場合は、神経終末が真皮層に集中しているため、
強い痛みを感じます。

 

むしろ、深い創のほうが痛みは少ないでしょう。

 

また、創に炎症や感染が見られる場合も、痛みを伴いやすいです。

 

患者さんが褥瘡の痛みを訴える場合は、
内服薬、もしくは点滴による消炎鎮痛剤を処方し、
処置の前にも鎮痛剤を用いるようにします。

 

さらに、創は空気に触れると痛みますから、
すばやく軟膏を塗ったり、ドレッシング材を貼ったりして、
創を早めに密封する用にケアしましょう。

 

そして、患者さんにも、処置をすれば痛みが落ち着く事を
しっかり説明します。

 

創の洗浄は、水道水のお湯ではしみて痛いので、
生理食塩水で洗浄します。

 

この時の生理食塩水は、冷たいと皮膚温を下げ、創傷の治癒を遅延させるので、
人肌に温めて用います。

 

水圧は、ある程度なければ洗浄効果が得られません。

 

患者さんの疼痛を考慮した水圧で行います。

 

(2) がん性疼痛のある患者さんへの褥瘡のケア

 

がんそのものの痛み、がん性疼痛がある患者さんの場合、
体位変換や褥瘡の処置等で、身体を動かす事によって
痛みを増強させてしまうことがあります。

 

特に、がんのターミナル期では、体に触れられただけで痛みが生じたり、
体中が痛くて、寝返りもできない患者さんもいます。

 

このように痛みの強い患者さんに対して褥瘡の処置をするときには、
レスキューを使用し、なるべく手早く処置を済ませ、
できるだけ早く安楽な体位に戻してあげることが大切です。

 

また、毎日のガーゼ交換や創の洗浄は、
ターミナル期の患者さんにとって、苦痛でしかない場合もあります。

 

滲出液が多い場合は、吸収力のあるドレッシング材を使用し、
なるべく交換する回数を減らすことも考えましょう。

 

(3) 剥離刺激に対する痛みのへの対応

 

皮膚からドレッシング材やテープをはがすときに、
皮膚の角質がはがされると、とても強い痛みを感じることがあります。

 

また、脆弱な状態になっている皮膚は、
痛みを伴うというだけでなく、皮膚も一緒にはがれてしまうこともあります。

 

テープやドレッシング材をはがすときには、
基本的に剥離剤を用いて行います。

 

ただし、剥離剤は保険適用がありませんので、
製品扱いとなり、患者さんに購入してもらう事になります。

 

肌に優しいドレッシング材やテープは、
アクリル系よりもシリコン系の粘着剤デス。

 

また、はがし方によっても痛み方がずいぶん異なります。

 

一方の手で皮膚を押さえながら、両手でゆっくりと愛護的にはがしましょう。

 

ドレッシング材やテープの基剤によって、
はがし方も異なります。

 

正しいはがし方を知り、患者さんの皮膚に、
なるべく負担のないようにケアしましょう。

 

非粘着性ドレッシング材の場合、
ドレッシング材が創に固着している事による痛みもあるため、
温かいお湯で湿らせながらはがすようにします。